時かけを見て鬱

耳をすませばで鬱」という話はネット上には良くあります。ネタバレしても大丈夫だと思うので書きますが、耳すまは原作からかなり改変されています。

  • 幻想的な絵を描くのが趣味の少年→バイオリン職人になるためイタリアへ渡る
  • 「君が好きだ」→「結婚しよう」

など。当時アニメージュの別冊みたいな形で出ていた耳をすませばのムック(ロマンアルバム?)に宮崎駿監督の文章が載っていて、うろ覚えですが

そもそも「海がきこえる」で若者の煮え切らない態度が気に入らなかった。映画というのはもっと「人生は生きるに値するものだ」ということを描くべきではないか

というような事が書かれてたと思います。で、趣味で良く分からない絵を描いている少年は「バイオリン職人で生計を立てる」と明確に目標を持った人間になり、「君が好きだ」も「結婚しよう」にグレードアップ。人生のポジティブな面がかなり強調された作品になったわけですが、あまりにポジティブ面が強すぎるので人によっては逆効果になるのも分からなくはないです(自分はそうは思いませんでしたが)。

一方「時かけ」は、少女の成長物語として人生を肯定的に描いてはいるものの、そこまで強烈なメッセージ性はないように思います。まあ少なからず鬱を感じた人がいるようなので何かあるのかもしれませんが。

しかしid:matakimikaさんがついったーで指摘しているように、劇場公開当時は絶賛の嵐だったのがTV放映後に批判的な意見が多くなったのは興味深い現象だと思います。

時かけ欝話って、公開当時もっと出るかなといわれてたけどそんなでもなかったんだよな。それがTV放映時にようやく出てくるってのは、結局まー「べつに興味がないものを、興味ないがゆえに受動的に見てしまうひと」の言説ってことよなー、いいとか悪いとかではなく。

Twitter / matakimika

ちなみに耳をすませばは映画も原作も好きです。