「絶対に面白い高校野球漫画。」
この胡散臭いキャッチコピーを裏切らない面白さ。話題沸騰中のマンガだけあって本当に面白い。野球とか野球マンガに興味のない人でも十分に楽しめます。 中学の3年間、自分が投手をしていたせいで負け続けた…と、罪悪感から完全に自信を失ってしまった三橋くん。高校入ったって野球なんか出来ないよ~(泣)と思っていたが、なぜか強引に入部させられてしまう。でも、投げたいけどオレなんか絶対認めてもらえないよ~(泣)と思っていたが、監督の百枝さんやキャッチャーの阿部くんは彼の意外な実力に気付く…。 投手としても人間としても完全にヘタレ化してしまった三橋くんが、次第に自信を取り戻し才能を開花させていきます。それはもともと実力の持ち主だからでもあるけど、最も重要なターニングポイントはキャッチャーが彼の努力に気づき「こいつのために何かしてやりたい!」と思ったこと。投手と捕手が信頼関係で結ばれた時に本当の実力が発揮される…など、野球が題材ではあるけど人間関係を中心に描かれるドラマです。でもスポーツ科学的な裏付けのためか、野球の部分も面白い。心理戦の駆け引きも上手く、興味がなくてもいつの間にか引き込まれて行きます。 著者のこれまでのやや暗い作風とは一転して明るい雰囲気なのもイイ。でも、ここまでデフォルメされるとギャグにしか思えないけど、「オレなんか誰にも認められない存在なんだよ~(泣)」という三橋くんの気持ちが分かる人は少なくないはず。 単なるスポ根でも友情物語でもない、非常に読みやすい新世代の野球マンガです。むしろ野球やスポーツに興味のない人にこそオススメ。今後ますます面白くなる可能性を秘めた作品です。ああ、青春っていいなあ…(遠い目)。