欺術

インプレスが、出版前の書籍の半分をPDFで公開するという大胆なキャンペーンをやってます。

読者としてはありがたいことこの上ないですが、個人的には公開されてる分を読んだら満足してしまったという感じ。セキュリティに特に興味のある人は「もっと読みたい」と思うのかもですが、上手くいくといいですね。

この著者のケビン・ミトニック氏はかつて凄腕のハッカーで、今ではセキュリティのコンサルティングをしてる人ですが、前作の『欺術』という本がすごく面白い。最大のセキュリティホールはPCではなく、人間そのものだということを痛感させられます。あっと驚く手法で情報を聞き出していく過程はミステリの種明かしのよう。セキュリティに興味がなくても読み物として楽しめるので、よろしければぜひ。

「最も安全なコンピュータは、電源を切ってあるコンピュータだ」とは言い得て妙だが、真実ではない。ソーシャルエンジニアは、もっともらしい口実を駆使して、内部の誰かを口説いてコンピュータの電源を入れてしまうのだ。