グーグル・アマゾン化する社会 (光文社新書)
danさんが上記エントリで「ウェブ進化論よりおすすめ」と仰っていたので買ってみました。
第1章〜第4章までは、現在webで起こっていることを丁寧に解説。第2章でWeb2.0関連のキーワードを、3章と4章でAmazonとGoogleについて一章ずつ解説。知ってる人は知ってる内容ですが、現在のwebを1冊で俯瞰できるという点では類書よりお勧めできるかもしれません。
ただ基本的には「ロングテールとか言われてるけど、結局は『ヘッド>テール』じゃね?」というスタンスで書かれてるので、第5章以降は
- スケールフリー・ネットワーク
- 集団分極化
- 沈黙の螺旋
などのキーワードを元に、
情報が増えれば増えるほど、ハブはハブとしての力を増し、そうでないページはますます埋もれて行く
という結論へと導かれます。確かにそういう側面はあるかもしれません。
web2.0(?)入門書としてはこの本が分かりやすいかなと思いますが、どちらか1冊ということなら…やはり「ウェブ進化論」をお勧めしたいです。あえてオプティミズムを貫いたという点で。個人が埋もれてしまう未来よりは、
「何かを表現したって誰にも届かない」という諦観は、「何かを表現すれば、それを必要とする誰かにきっと届くはず」という希望に変わろうとしている(梅田望夫「ウェブ進化論」より)
という未来を夢見たいですし、またそうなるような気がするからです。何となくですけど。
ただ、新書なので税込735円と安いですし、1時間もかからずサクッと読めるので、とりあえず読んでみるのも悪くないと思います。