水木しげる「墓場鬼太郎」

来年1月からノイタミナ枠でアニメ化される、いわゆる元祖鬼太郎。1960年なので今から約50年前の作品です。今の「悪い妖怪を退治する」というスタイルは7年後の1967年(週刊少年マガジン)からで、元々はホラー漫画みたいな位置づけだったらしい。鬼太郎は地獄(死後の世界)の案内人のような感じで、人間を助けるどころか育ての親を地獄に送ると言う鬼畜っぷり。

当然、今の鬼太郎とは設定がかなり異なります。読んで驚いた点をいくつか。

  • 鬼太郎は人間(普通のサラリーマン)に育てられた
  • 鬼太郎は普通に小学校に通っている(お化けには学校も試験も無いはずなのに!)
    • 先生には「墓場くん」と呼ばれている(シュールだ)
  • クラスメイトに寝子さん(猫娘)がいる
    • 寝子さんは獲物を見つけると猫に変身する
    • 寝子さんはネズミが好物、ゆえにねずみ男も補食対象
    • 鬼太郎、寝子さんをフィアンセにする予定だった
    • 寝子さん、後に歌手デビュー
  • 人気歌手のトランク永井が妖怪に体を乗っ取られる話がある(いいのか?)

などなど。鬼太郎の原点を見る、という意味では非常に興味深く資料的価値もあると思うのですが、これ単体で面白いかと言われるとやや微妙。やはり少年漫画(アニメ)としては現在のようなスタイルの方が良いのかなと思ったり。ただ、猫娘はこの当時から萌えキャラだったような気もします。今は鬼太郎との関係が逆転してますが。

とは言え鬼太郎に興味がある人は面白く読めるはず。毎週日曜朝に鬼太郎を見ている人にはおすすめです。