「カメラを止めるな!」(One Cut of the Dead)

カメラを止めるな!

カメラを止めるな!

概要

2018年6月公開。(2017年製作&先行公開)
都内2館での上映から口コミで広がり全国300館以上へ上映拡大、累計興行収入30億円以上(2018年11月現在)。

もはや説明不要(?)の今年最大と言っても過言ではない話題作(当社調べ)。
無名監督×無名俳優×超低予算(300万円程度)と言う過酷な条件で、日本国内のみならず海外でも絶賛される異例の作品。

あらすじ

とある廃墟で行われていたゾンビ映画の撮影中に本物のゾンビが来襲。
役者は逃げ惑うが、ただ一人監督だけは「これが本物の映画だ!」と言って撮影を強行する。
その裏に隠された衝撃の真実とは…。

解説

未見の方はあらゆる情報をシャットアウトして予備知識0で観て頂きたいのですが、これはゾンビ映画です。しかし、小さいお子様から年配の方まで、映画に詳しい人から普段あまり映画を見ない人まで、あらゆる人に絶対の自信を持ってオススメできます。ホラーが苦手な方にも安心して観て頂けると思います。

で、「ゾンビ映画」として観ると、不自然な、明らかにおかしい箇所がいくつもあり、これが伏線になっているのは分かります。一応どういう理屈なのか予想をしながら観たのですが、まさかあのような結末を迎えるとは…。細かい伏線が全てキッチリ回収されて大変スッキリするのは間違いありません。

各所で指摘されたり監督自身もインタビューで答えたりしていますが、これは「低予算でも面白い」のではなく「低予算でないと成立しない」「無名俳優でないと成立しない」というタイプの作品です。

単純に「有名俳優だと誰が死なないか展開が容易に予測可能」という事もあります。しかしより重要なのは、「映画を見ている人とそれほど変わらない、似たような立ち位置の無名の俳優さんが一致団結して何事かを成し遂げる」姿が心を打つということです。それぞれは問題山積な人々でも、協力する事で達成できる事がある…という。

これが超有名俳優さんだったり、潤沢な予算の映像だったりするとより「作り物」感が増し、ライブ感と言うかドキュメンタリーのような感動は薄れてしまうと思います。「どこまでが現実なのか?」という境界を意図的に分かりづらくしているとも言えます。

その他、例えば「ポン抜け」がありますが、「護身術を使う時はポン!と叫ぶ」というルールを設定する事で、後に画面外で「ポン!」という音声が聞こえるだけで視聴者は全てを察する事ができます。そういう細かい配慮も多々見られる、実に緻密な計算に基づく作品です。どこまで本当に計算なのか、偶然の産物なのかもよく分からないぐらい凄いのですが。

あらゆる人に激オススメしたい、2018年を代表する作品と言って良いかと思います。
単純にエンタメとしてもこの上なく楽しめますが、その裏にある底知れぬ映画愛を感じた時、涙が出そうになるはず。

tangerine.hateblo.jp