映画「若おかみは小学生!」

若おかみは小学生!

2018年9月公開。
タイトル通り、小学生の女の子が温泉旅館の若おかみとして奮闘する物語。

原作が児童文学なのでタイトルからどうしても「私、なぜか旅館の若おかみをする事に…!?」みたいな軽いノリを感じてしまうのですが、実際は主人公の女の子の両親が交通事故死するところから始まる、壮絶に重い話です。

本筋としては、旅館に訪れるちょっと問題を抱えたお客様との出会いによって女の子が成長していく物語です。最初はお客様の些細な言動にも怒ったりしますが、やがて大人でも抱えきれないような重いものを背負う決意をします。「私は春の屋旅館の若おかみです」と宣言するクライマックスのシーンは涙せずにはいられないはず。劇中の温泉は「全てを受け入れて癒す」と言われていますが、この作品自体もそうなのかもしれません。

背景は美しく、キャラはよく動き、序盤〜中盤まではコミカルなシーンも多いので子供も大人も楽しめますが「大人でも楽しめる」と言うより「大人にこそ見てほしい」非常に優れた作品です。