2018年公開。ベトナム映画。
19世紀ベトナム。14歳のメイは裕福な大地主の第三夫人となる。事実に基づく物語。
ユネスコ世界文化遺産のチャンアン複合景観で撮影された映像は非常に美しく、息を飲みます。チャン・イーモウ監督や新海監督作品のように背景だけでも作品として成立するほど。まず映像美だけで心奪われると言うか、言葉を失います。
さらに主役である少女も美少女なので何も言うことはありませんが、話としてはまだ幼い少女が知らない男の第三夫人として嫁がされ男児を出産することのみが当面の目標という壮絶すぎる物語。官能的なシーンも多く、本国ベトナムでは公開4日後に上映中止となっています。
女性の権利について強く主張するわけでもなく、淡々とドキュメンタリーのように話は進みます。登場人物も前時代的な価値観については疑うこともなくそれが当然のように振る舞っています。「雄大な自然の美しさ」と「狭すぎる人間の価値観」で二重に強烈なショックを受ける作品です。
芸術性がものすごく高く、個人的には非常に満足度が強いです。ミニシアター系映画好きなら気に入ってくれるはず。
