スウェーデンの夏至祭へ招待されたアメリカの大学生グループ。
やがて彼らはこの祭りが狂気の祝祭である事を知る。
カルト的祝祭に何も知らない若者が巻き込まれるホラーですが、祝祭に行く前の冒頭から不穏な空気しかありません。
倦怠期のカップルが主役ですが彼女は元々メンヘラで、さらに妹が両親を巻き込んで自殺します。このため面倒なので別れたいと思っていた彼氏ともさらに微妙な雰囲気に。
スウェーデンに到着後は画面が一気に明るくなりますがカメラワーク等でますます不穏さが増し、予備知識が無くてもヤバイ映画だということが分かるはず。以降、白夜なので画面はずっと明るいままですが、行われている事は狂気そのものの祝祭が始まります。
土着信仰というか奇妙な風習の村を訪れるホラーは珍しいジャンルではありませんが(「ウィッカーマン」など)、終始画面が明るいこと、大きな音やBGMで恐怖を煽ったりしないこと…などは珍しいかも。
見方によっては救済を描いているとも言えますが、例えばカルト宗教に入って救われたと本人が思っていてもそれは救済と言えるのかよく分かりませんし、個人的には2時間30分の最初から最後まで人間の狂気を描いたサイコホラーとしか思えませんでした。そして本当に怖いのは「奇妙な風習の村人」ではなく…。
残虐シーンや全裸の男女が登場するシーンもあり閲覧注意ですが、劇薬なのに飲みやすく映画としては考察しがいのある作品。
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