2016年公開。
ブルガリア・ギリシャ合作。原題は「栄光」。
鉄道保線員がある日線路に落ちていた大量の札束を発見。
正直に通報して表彰もされるが、表彰式の際に父親の形見でもある腕時計が行方不明になってしまう。
「なぜ線路に札束が」という謎が実は運輸省の汚職に繋がっています。ざっくり言うと「貧乏だけど正直者で汚職を告発したい鉄道保線員」vs「汚職を揉み消したい自己中心的なエリート官僚」という構図で、あまり気分の良い話ではありませんが、映画としては丁寧な作りのサスペンスです。
また保線員にとって正確な時計は重要ですが、表彰式に贈られた腕時計は量産品ですぐに遅れることが後に発覚します。その際に元の腕時計を預かって紛失してしまった事も運輸省側は隠蔽しようとします。
この映画はいくつかの実際の事件にインスパイアされており、官僚の私欲のために庶民のわずかな尊厳さえも踏みにじられる…というのは遠い国の話とも思えません。