「17歳の瞳に映る世界」(Never Rarely Sometimes Always)

17歳の瞳に映る世界 (吹替版)

2020年公開(日本公開2021年7月)。

望まない妊娠をした17歳の少女が中絶をするまでの物語。
Rotten Tomatoes 批評家支持率99%。

あらすじとしては以上で、ドキュメンタリー風に淡々と話は進みます。
誰にも相談できずお金もない中、いとこで唯一の親友と共にニューヨークへ向かうのですが…。

ただでさえ辛い状況にも関わらず、登場する男性陣は全員クズというのが辛さに拍車をかけています。「なぜか雌犬を執拗に可愛がる義父」「バイト先のスーパーでセクハラしてくる客と店員」「夜の地下鉄で遭遇する不審者」「下心100%でナンパしてくる青年」など。

何と言っても特筆すべきは原題 “Never Rarely Sometimes Always”の秀逸さです。

Never(全くない)
Rarely(まれにしかない)
Sometimes(時々)
Always(いつも)

この意味が分かるシーンで強烈なショックを受けない人はいないはず。
17歳の少女が背負ってきたものがどれだけ重いかを痛感させられます。

直接は描かれないものの、映像の外で少女がどれだけの仕打ちを受けてきたのか、容易に想像できるのが構成としては非常に上手いのですが…。

物語としてはひたすら「重い、辛い、悲しい」なので一般視聴者の支持率が低いのも分かりますが、それを含めてお薦めしたい作品。