2020年公開。
チリ・アメリカ・ドイツ・オランダ・スペイン合作。
老人ホームで入居者が虐待されている疑いがあり、83歳のセルヒオは入居者として潜入し実態の調査を始める。
面白い設定だなと思ったら実は「ドキュメンタリー」で、ノンフィクションのようです。
全体的にはミステリやサスペンス的な雰囲気は少なく、ほのぼのヒューマンドラマという感じです。
スパイであることは隠して施設の取材という名目で撮影されたようです。(時々クルーが映り込みます)
最初はスマホも満足に扱えない主人公が盗撮可能な眼鏡の説明を受けたりする所はスパイっぽいのですが、目立たずに捜査するはずが、元々イケメンなので注目され、さらに入居者の相談を親身になって聞いたりしているとすっかりホームの人気者に。「楽しそうで何よりだが調査の報告をしてくれ」と言われるほど。
しかし捜査を進めるうちにある疑問が湧いてきます。
「母親が心配で捜査を依頼されたのに、なぜ本人は一度も面会に来ないのか?」
そして3ヶ月の捜査の末にたどり着いた真相とは…。
優しい紳士である主人公こそ実は「顧客が本当に必要だったもの」かもしれません。
こんな素敵な歳の取り方をしたいと思うと同時に、割と深刻な問題を投げかける作品でもあります。