「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」

この世界の(さらにいくつもの)片隅に

2016年11月公開の劇場版アニメ「この世界の片隅に」(129分)で諸事情によりカットされたシーン等を追加し、 2019年12月に公開された168分(2時間48分)バージョン。アニメ映画としては史上最長。

本作は無印版(2016年)の「長尺版」「完全版」というわけではなく、全く別の作品と捉えた方が良いと思います。

無印版には無かった原作のリンさん(すずさんのお友達)に関するエピソード等も新たに映像化されていますが、既存のシーンも修正されたり、原作に無いシーン等も追加されるなどで無印版とは全く違った意味を持つ作品になっています。

同じ話でありながらより多くの、さらにいくつもの「片隅」が描かれることで、より深いレイヤーで物語を理解する事になります。逆に言うとすずさんや視聴者にとっては知らなくて良いことまで知ってしまうような側面もあり、初見の人に勧めるには無印版の方が無難かもと思ったりします。時間も3時間弱なので…。

というわけで未見の方はまず「この世界の片隅に」(2016年)を観ていただき、その上で本作「さらにいくつもの片隅に」を観ていただくのが良いかなと思います。