2021年10月29日公開。
近未来、AIが生活の至る所で利用されている時代。高校生のサトミは、自分の母が開発したAI搭載の少女型アンドロイドが自分のクラスに「転校」してきた事を知ってしまう。アンドロイドであることは秘密であり、普通の女子高生として振る舞うことができれば実験は成功なのですが…。
AIのシオンはポンコツで、急に歌い出すなどかなり変わった子としてクラスメイト(および視聴者)に認識されます。これがミュージカル映画としては実に自然な導入で、突然ミュージカル時空になっても「そういうものか」と簡単に割り切って観ることができます。
AIがバレるかどうかが話の主軸かと思いきや、主人公の友達には早々にバレてしまいます。
そこからが本当に面白い所です。
近未来でAIを描いた作品、と言えばAIが暴走してディストピアになるというお約束の展開が予想されますが、そんな事にはならず、吉浦監督はどこまでもAIの可能性を信じています。これは代表作「イヴの時間」から一貫しています。
ポンコツでアホの子のAI・シオンはなぜかサトミに幸せかどうか執拗に尋ね、そうでなければあらゆる手段を尽くしてサトミを幸せにしようとします。幸せとは何か、AIにはもちろん分かりません。人間にも分からないので当然です。しかし、アホの子ならではの一途さがやがて登場人物の心を動かし、観客の心さえ動かします。
鑑賞後にこれほどの多幸感に包まれる作品はなかなかないと思います。
去年観た作品の中では間違いなくNo.1です。
できれば最低2回は観ていただくと、丁寧に貼られた伏線の数々に気づきより深く感動できると思います。
(↑観た人は意味が分かる意味深なジャケットデザイン)#アイの歌声を聴かせて
— 映画『アイの歌声を聴かせて』Blu-ray & DVD Now on sale!! (@ainouta_movie) 2022年7月27日
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キャラクター原案の #紀伊カンナ さんにも
記念イラストを描いていただきました‼https://t.co/4MjgSG8WLJ#アイうた @mioshun0303 pic.twitter.com/Nz3yQnxcEY