1位「ぼっち・ざ・ろっく!」
ダークなユーモアを多用し、ともすれば陰鬱で意地悪な番組になりかねないが、シリーズディレクターの斎藤圭一郎の手にかかると、どこからともなく飛び出す多彩なアニメーション技術もあって、主人公の理不尽なパニックから、爆笑と暴走、そして共感が生まれるのである。「ひとり」の記憶と妄想が、アイスキャンディーの人形劇、クレイアニメーション、回転のぞき絵、実写写真など、さまざまなスタイルでスリリングに描かれるのだ。ぼっちがInstagramのページを作るという提案だけで、ギザギザのグリッチな線の塊になったり、彼女の顔が奇妙な多角形の形に溶け、緊張のあまりピカソ的なキュビズムに達するなど、従来のアニメーションの枠内でさえ、この番組はばかばかしいままなのだ。また、その気になれば、没個性的な歌のパフォーマンスで、活気ある音楽劇を作ることもできる。「ぼっち・ざ・ろっく!」は、アナーキーな創造性にあふれた、秋の満員御礼の主役である。
2位以下
佳作
- アキバ冥途戦争
- Birdie Wing: Golf Girls Story
- 地球外少年少女
- 四畳半タイムマシンブルース