佐々木倫子『動物のお医者さん』

有名すぎてここで紹介するのも何ですが、一応。 コミック版全12巻と文庫版全8巻、累計で2200万部以上の売上げを記録(らしい)。 シベリアンハスキー犬ブームを起こし、北大獣医学部の志望者数を急増させ、ドラマ化もされた歴史に残る名作。 タイトルから心温まる感動物語だと思う人もいるかもしれないが、実はH大獣医学部の学生(と動物)が主役のコメディー。犬やネコなど、登場する動物はどれも非常にリアル(写実的)な絵柄なのに、なぜか人間と同程度の知能を持ち意思の疎通もできてしまう。特に、顔は恐いがとても従順で温厚な性格のハスキー犬チョビ(♀)には激しく萌え。動物だけでなく人間の登場人物(?)も十分に魅力的だけど、それ以上に動物のキャラが強い。笑えます。 おそらく読んで印象に残るキャラは

  1. チョビ(おとなしいハスキー犬)
  2. ミケ(大阪弁お姉さんネコ。近所のボス)
  3. ヒヨちゃん(飼い主さえ襲う凶暴ニワトリ)

ではないだろうか。これら動物キャラの魅力はワガママ三昧の漆原教授、不思議少女(?)の菱沼さん以上だ。 緻密な取材によって描かれる学生の日常だけでも十分に面白いし笑えるが、やはりこの作品の主役はハムテル(公輝)でも二階堂でもなく、チョビだと思う。こんな人なつっこい犬なら誰でも飼いたくなるだろう。しかしテレ朝の公式サイトのチョビは本物にそっくりだ(目つきの悪さとか)。コレを探し出した人も凄いが、佐々木氏の画力も改めてスゴイと思った。