菊池直恵×横見浩彦『鉄子の旅』

最高に笑った。彼こそが真の電車男だ。

一般人の漫画家キクチ女史が鉄ヲタ横見氏と共に全国各地の鉄道を巡るノンフィクション。登場する人物・団体・事件は全て実在する。

旅の目的は観光ではなく電車に乗ること。ローカル線の全駅を制覇したり、朝から晩まで15時間かけて1都6県を回ったり、東京から鹿児島まで3日かけて鈍行で行ったり…など、鉄ヲタでなければ何の意味があるのか分からないような旅ばかり。一般人にとっては退屈極まりなく、駅弁ぐらいしか楽しみはないが、鉄ヲタにとっては萌えツボ満載らしく「う~ん、実にイイ!!」を随所で連発。

そう、一応旅行記の体裁はとっているけど、主に描かれているのは一般人から見た鉄ヲタの生態だ。鉄ヲタげんしけんと言ってもよい。鉄道に一切興味がなくても十分すぎるほど笑えます。

掲載誌はIKKIというかなり濃いヲタ向けの雑誌ですが、そうは思えないほど絵もキレイで読みやすい。鉄道とか関係なく、単純に笑いを求める人でも気楽に読めると思います。しかし、確かに彼の言動は痛々しいが、ここまで一つの事にのめりこめるのはある意味凄い…。