コミック版も切なすぎる「秒速5センチメートル」

ねぇ、秒速5センチなんだって。 桜の花の落ちるスピード。秒速5センチメートル

二人の「距離」を描いた新海誠氏の劇場版アニメ秒速5センチメートルのコミカライズ。漫画は清家雪子さん。 アニメ版は切なすぎる物語を超絶美麗な映像で描きましたが、このコミック版もアニメ版に匹敵するほど素晴らしい作品です。漫画にはアニメと違って色も音も動きもありませんが、それらを補って余りある新人とは思えない描写力。アニメ同様、一コマ一コマが大変美しく印象的なものになっています。 また原作にはない部分を補いながら話が進んでいくので、アニメ版を何回も見た人でも新鮮な気持ちで読む事ができると思います。特にアニメは貴樹中心だったのが、コミック版は明里の心情も痛いほど伝わってくる構成になっており余計に胸が締め付けられます。

貴樹に手を引かれて教室を走り去る明里。台詞のないコマですが表情が全てを物語っています。明里も、第二話の早苗も全編に渡ってアニメ以上に色気のある表情なのでドキドキさせられます…。><

あり得ないほど精緻に描かれた背景。全ページ全コマが本当に美しいです。アニメも凄まじいクオリティでしたが、コミック版だと一時停止しなくてもじっくり味わえるのが良いです。 もともと原作が好きなのもあるかもしれませんが、読んでいてこれほど心を動かされた作品は久しぶりでした。今年の個人的「このマンガがすごい!」ランキングでは断トツの1位にしたい作品です。