LOVERS(十面埋伏)

原題の「十面埋伏」とは、あたり一面に待ち伏せが潜んでいるという意味…らしい。金城武チャン・ツィイーのコンビが役人と戦いながら逃げまくる物語です(端折りすぎ)。

シナリオ的にはありがちと言うか「最後まで真実が見えない!」というほど深い話ではない。それほどの盛り上がりを見せる事のないまま終わってしまうのでやや消化不良気味。

しかし、背景や服装の美しさは凄まじいの一言。2時間のうちどこで切り取っても絵になるシーンばかり。中国にはこんなに美しい風景がまだ残っているのかもしれませんが「CGか?」と思ってしまうくらい鮮やかな風景の数々に魅了させられずにはいられません。やはりチャン・イーモウという人はただ者ではないと思います。

前作「HERO」は剣戟で魅せましたが、今回は弓矢や飛刀などの飛び道具がスゴイ。美しい風景の中、武器視点で飛んで行く飛刀。これが今作最大の魅力ではないでしょうか。あと豆とか胡桃とか。

個人的には竹林のシーンが印象的でした。そしてそれ以上に印象に残ったのが「覗き見はしない」とか言いながら思いっきり覗き見ている金城武。オトコマエは何をやっても許されるのかもしれない。('A`)