TVアニメ版、劇場版それぞれのPVが公開されたCLANNAD(クラナド)ですが、同じ作品のアニメ化なのにここまで違うのかと驚かされます。ちなみにスタッフは
と「AIR」の時と全く同じ構図なので、似たような結末を迎えることが予想されるわけですが…。
キャッチコピー
まず劇場版。キャラデザが一昔前の少女漫画みたいなのは不問に付すとして、キャッチコピーの
「大切な人をなくした事がありますか?」
は違和感があります。内容的に間違いではありませんが、どうもピントを外してる気がします。CLANNADはどちらかというと「家族」がテーマだと思いますが、このコピーからは恋人を失った悲しみだけが感じられると言うか、単なる純愛ものにされているのかなという印象を受けます。原作にないオリジナルの言葉ですし。一方、京アニ版の
「お連れしましょう…この町の願いが叶う場所に」
は原作にもある重要なキーフレーズで、「夜の公園にいる渚」が背景になっている事からもその意味を理解した上で使われている事が伺えます。ただその直後、智代に64HITSコンボを決められている春原(すのはら)が映っているので「春原があちらの世界に連れて行かれる」という誤解を招く恐れはありますが(それはそれで正しい解釈)。
原作を想像できるか
TV版が何クールあるか不明ですが、いずれにせよ時間は劇場版の方が圧倒的に短いのは確かです。いろいろ削ったり改変したりする必要もあるでしょう。全てが原作通りである必要もないのですが、それにしても劇場版のPVはどのカットを見ても「これはどのシーン?」という感じがします。唯一分かるのは最後渚が寝込んでる所ぐらい。 しかし京アニ版の方はキャラも構図もあまりに原作そのままで、知っている人ならセリフまで想像できてしまうシーンばかり。幻想世界、杏、風子、智代、ことみ…。例えば古河夫妻も劇場版PVの仲良さげにしている絵よりは、TV版の今にも「私のパンは…古河パンのお荷物だったんですねーっ!!」と叫び出しそうな早苗さんの絵の方が原作に近いと思います。
朋也「さん」?
渚が朋也のことを「さん」付けで呼んだ事はなかったように思いますが(少なくとも学園編では)、劇場版PVで渚は朋也「さん」と。細かい事かもしれませんが、このセリフは劇場版AIRの
「もっと彼氏らしくしても良いのだよ?」
を彷彿とさせ非常に不安になってしまいます(観鈴はそんな積極的な子ではなかったような…)。
京アニ版には期待したい
CLANNADの原作(ゲーム)は全部読むのに最低50時間はかかるほどボリュームがあり、ヒロインと言うかシナリオも多数あってやや複雑な構造なので上手くまとめられない可能性もあります。TV版はPVを見る限り全てのシナリオを描こうとしている印象を受けるので「何クールあっても足りないのでは…」という不安もあるのですが、期待したい所です。 もちろん映画もTVもどちらも名作なら言う事はありませんが、劇場版がPVだけを見て黒歴史認定されるのも無理はない気がします…。