- トロ・ステーションであろうが、殺伐としていきたいと思ってます
- みなさんも殺伐としていってくださいね!
シナリオライターになったきっかけ
- 小学生の時に親にPC-6001mk2というパソコンを買ってもらった
- 当時はアドベンチャーゲームの黎明期で、いろいろプレイしていた
- そして自分でもBASICを覚えて作り始めるようになって この頃にゲームに関わる仕事をしたい!という夢を描き始めました
- 大学生になってからは音楽の宅録にハマっちゃって 音楽で食ってくぞ!と決意しました
- しかし就職活動でコンポーザー志望でいろんなゲーム会社を受けまくったものの ことごとく落ちてしまって…自信があったのになんで?って
- ようは井の中の蛙で 周りは褒めまくってくれてたんだけど 実のところ自分にはアレンジやミックスのスキルがぜんぜんなかったという…
- ああ…大好きなゲームと関わる仕事ができないんだ…という絶望の大学4年生の夏休みを迎えまして
- 周りの友達は無難に内定をもらっていって 自分一人取り残された感じで焦りもあって…
- でも自分は絶対クリエイターになりたかったし その夢が叶わないという現実を目の当たりにして絶望の縁に追いやられて…
- 自分には伝えたいものがたくさんあるのに 伝えられない仕事に就くなんて耐えられなかったし…
- 結局のところ そんな資格も資質も自分にはないと言う事が分かって ぶっちゃけもう死のうかと…
- 文章も下手なので自信は全くなかったのですが 小説のようなものはずっと書き続けていたので 最後に悔いが残らないようシナリオライター志望で就職活動を行ってみたんです
- これがダメだったらもうほんと終わりだなって…
- でもその絶望の夏休みに書いたシナリオを提出した2社さんとも作品審査が通ったんですよ
- 「え?おれシナリオライターになれるの?やったー!」って あの時の喜びは生涯忘れることができません
お仕事の中で一番楽しいのはどんな時ですか?
- テストプレイ段階に入って自分の書いたシナリオのクライマックスに自分の書いたBGMや挿入歌が乗った時はカタルシスを覚えますね
- でも個々のシナリオであったり作曲であったり作詞をしている最中は「どうすれば感動してもらえるか」ばかりを考えて必死で楽しい事は一つもありません
- そんな感じで開発中は実は辛い事ばかりです
- クリエイターに憧れる人はここを見られてる人にも多いと思うんですがそんなに楽しいものではないんですよ
- ゲームが発売されて評価が良ければ報われるけどダメだった場合は当然…「面白くなかった」「つまらなかった」という意見が多数寄せられる
- 自分の経験則では開発現場が壮絶なほどいいゲームができる
- スタッフが死ぬ思いをするほど良作になる
- 最悪 大好きなゲームをプレイする事すらできなくなります
- 「ああ、面白いなぁ…こんなの おれには作れないよ…おれはダメクリエイターなんだな…」と落ち込むばかりなので
- 趣味を仕事にするってのはそういう事なんですよ
- 「どうすれば感動してもらえるか」を考えるのが一番大変です
- あと、ゲーム発売後の評価を全て受け入れる事も大変です
- 自分はどんな批判でさえ次に活かせるよう受け入れる事にしているので そうしないと面白い作品は作り続けられないと思っています
- なので発売後しばらくは壮絶な精神状態に陥ります
- 心が繊細なのでそれがいつ粉々に砕け散るか分からない
- ぎりぎりのところでいつも耐えて頑張ってます
- ストレスで禿げてきました
(キャラクターの好きな)食べ物へのこだわりがありますか?
- 「Kanon」というゲームでメインライターだった久弥直樹くんの影響です
- 彼はシナリオも天才的だったのですがキャラ立ても天才的だったので「ああ、こうすればキャラが立つのか!」と勉強させてもらいました
- キャラ立てが重要だってことを教わった彼には感謝してる
- 『Angel Beats!』でもそのやり方は踏襲しています
泣ける作品を見る事は多いですか?
- 常に「泣ける物語」を求められるので勉強のために評価の高い作品は見ます
- でも「作品」よりも自分は「ドキュメント」に影響を受ける事の方が多いです
- 末期癌患者の手記などは書籍化されたらほとんど読みます
- まだまだ自分にとっては「死」は漠然としたものなのですが そういう方々から紡ぎ出される言葉はほんとに身に染みます 魂を揺り動かされます
- と同時に そんな自分が死にまつわる物語を紡ぎ出している事に罪悪感を覚えます 借りてきた言葉のようで…
- でもできるだけ彼らの気持ちに追いつこうと懸命に足掻いています
『Angel Beats!』について
- 電脳世界ではありません
- オリジナルアニメは原作がないのですごく不利です
- 面白い保証がないからです
- なので放映前まではガンガンハードルを上げて販促を行ってきました
- 結果 たくさんの人に見てもらえる作品となりました
- いま見て頂いている皆様、ありがとうございます
- 裏切ってしまった皆様には大変申し訳ありませんでした 貴重な時間を奪ってしまったことに心からお詫び申し上げます
- 今はそういう販促活動を終えた後なので これから見ようと思っている皆様はほんと気楽に見てください
- きっと気に入って頂ける作品になっているはずです
- 『Angel Beats!』と言う作品が皆様の宝物になれば幸いです