『泣ける2ちゃんねる』

2○年前の私へ

マンガ勝手に読んだとかくだらない理由で弟とけんかするな
そんなささいなことを根に持たずさっさと仲直りしろ
そろばん塾へも先に行かずいつものようにいっしょに行け
恥ずかしいことなんてないからしっかり手を握っていろ
そして弟が道へ飛び出そうとしたら何としても止めろ

これまで某巨大掲示板関連の本といえば「大攻略マガジソ」とか「AA大辞典」「VOW逝ってよし!」など、ろくでもない出版物ばかりだった(それらを笑いながら読んでたわけだが)。そんな中比較的まともな「思い出に残る食事」って本も出てたけど、イマイチだった。

しかしコレは全然違う。装丁も組版もイイし構成も分かりやすい。そして何より、涙腺を刺激するエピソードの数々。「泣ける」って書いてあるけどホントに泣けます。個人的には某ベストセラーよりずっと泣けますた。それどころか、こんなに涙を流した本は今までにないかもしれない…。・゚・(ノД`)・゚・

3歳の息子にいろいろ口うるさく言い過ぎたと反省した日の夜
「○○はどんなお母さんが好き?」ときいてみた。
「笑ってるお母さん」とか「怒らないお母さん」とか言うかな、と思ったら私を指して

「ここにいるこのお母さんが好き」。

泣けた。

名無しの掲示板は好き勝手な事が書ける。人の気持ちを考えない無責任な発言もできる。しかし一方で、自分の内面に深く秘められた感情を書き込む事もできる。誰にも言えない過去の出来事も。これが普通の掲示板だったらどうだろう。ましてネットがなかったとしたら。こんな話ができるのは、ごく親しい一部の友達に限られていたはず。そんな思いの数々がネットで共有できるのはイイ。なかなか言えなかったことを言える、見ず知らずの人のそんな書き込みを読めるってことでカキコする人、読む人双方にメリットがあると思う。

そして読み終えて思うのは、自分の身近にいるどんなヤツも実は大切な人なのかな、ってこと。その人がそこにいる意味は失ってみてはじめて分かるのかもしれない。分からないかもしれないが。

なぁ、俺には今までの人生で実感が無いけど「愛」ってのは

信頼する、信頼される。
必要とされる、必要とされる。
許しを与える、許しを与えられる。

ってことじゃないのかな?

まあ所詮は掲示板の書き込みの寄せ集めであって、事実かどうかは誰にも分からない。だって、小説でもないのに運命的に出会った彼女が白血病になったりとか、事故に遭ったりするなんて…ρ(・・、)。そんな話ばかりです。だから全部ネタなんだろうけど釣られてみる。この本に掲載されてないのも含めて、カキコしてくれた大勢の名無しさんに言いたい。書き込んでくれてありがとう、と。

(※この本は同名のサイト「泣ける2ちゃんねる」を書籍化したものです。)