だから猫なんて嫌いなんだ

高校生の頃家に小さい野良が住み着いて庭にうんこしたりにゃーにゃーうっさいから頭きて
鰹節いっぱい買ってきてでかいゴミ袋に入れて猫ぶちこんでわさわさ振ってやってら
酔ってふらふらになりながらも身体にまとわりついた鰹節を至福の表情で舐めているのが
あんまりムカついたもんだから完全にキレたおれはそいつを風呂場に連れ込んで
リンスのいらないメリットで全身をわしわし洗ったあとしっかり乾かしてやった挙句に
猫大好きフリスキー買ってきてイチゴか何かの空きパックに入れて食わせてやり
その晩一緒に寝たらもう情が移っちゃって移っちゃって「たま」なんてありがちな名前つけて
雨の日も風の日も雪の日も春も夏も秋も冬もいつだって一緒に遊んでいたのに
去年暮れくらいに腎臓悪くしてエサ食えずにどんどん痩せていってそれでも高い点滴とか
打ってやったり優秀な獣医探して診てもらったのに相変わらず苦しそうににゃーにゃーいってて
幸せそうな顔でおれの腕にしっかり抱かれたままちょうど半年前に死んじゃったから
野良の時にお気に入りだった庭のユスラウメの根元に穴掘って鰹節とかおもちゃとか毛布とか
食器とかクリスマスと正月にしか食わせてあげなかったモンプチの高いやつとか入れてやって
最後に毛布に包んだたまを入れて埋めてやろうと思ったんだけどもう色んな思い出が次々に
思い出されちゃって二十五歳無職でどうしようもないろくでなしのおれは本当久しぶりに号泣しちゃって
外を通る女子中学生とか主婦とかがじろじろ見てきたけど涙と嗚咽止まんなくて
それでも何とか埋葬終えて線香立ててやったんだけどなんかもう部屋戻ったら
いつもの座椅子の上で丸くなっておれに気付くと嫌そうににゃーとか言ってくるんじゃないかって
全然死んだ実感が湧かなくて夜寝る時にたまのいない冷たい布団に入った途端にまた泣いて。
だから猫なんて嫌いなんだおれは。やっと就職も決まったしよ、彼女も出来た。
だからもう猫なんていなくても生きていけるんだ。
もう一生猫なんて飼わないからな。お前を最後にするからな。バカやろう。バカやろう。

かわいいレスのガイドライン10より。そういえばこんなコピペもあります。

ねこきらいー! うちの近くにもなんか勝手に住み着いてさ、 こう寄って来て足元にスリスリしてくるっとひっくりかえって おなかをぽんぽんするとにゃんにゃんにゃんてー!

ネコなんてきらいだー!!