Key「Kanon」

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Kanon メモリアルエディション 全年齢対象版

思い出の中を、真っ白い結晶が埋め尽くしていた。

数年ぶりに訪れた雪の降る街。主人公は少女と出会い、なぜかすっぽりと失われてしまった数年前の記憶を取り戻して行く…。

keyの記念すべき第一作目にして泣きゲー」として超有名なこの作品。 登場する女の子は例によってギャルゲーっぽい絵で(いわゆるいたる絵)、そしてアホっぽい。しかもうぐぅとか「あうーっ」など変な口癖付きだ。悲壮感のかけらもない。しかし、だからこそ後半、シリアスな展開になってくると余計に泣けるのかもしれない。些細な事で泣くつもりはなかったけど、あゆシナリオの「3つ目のお願い」でもう泣きそうになってしまった。

シナリオももちろん良いけど、イベント時のグラフィックの美しさや幻想的な音楽がそれを更に引き立てていると思います。ゲームやる前からサントラ買ってしまいましたが、大成功でした。この辺keyは期待を裏切らないですね。ゲーム中同様、サントラ聴いてるだけで涙が流れそうになります。 攻略可能なヒロインは5人(+1人)。メインは「あゆ」なんだろうけど、個人的には舞シナリオ(夜の校舎で魔物と戦い続ける少女)や真琴シナリオ(記憶喪失で悪戯好きな少女)が好き。5人中4人がそれぞれ主人公の過去の記憶と結びついているのが特徴で、特に舞シナリオはその設定が最大限に生かされている気がします。

この作品で奇蹟とかファンタジー要素は表面的な部分でしかなく、重要なテーマは「受け入れ難い現実を受け入れること」。それを様々な立場で奏でるからこそ題名が「カノン」(追走曲。音楽の形式。先行する旋律を、後続の旋律が一定の関係で全く同じに模倣しつつ追いかける曲種)なのだろうし、シナリオの一つ一つも「現実逃避」から「現実を受け入れ前向きに生きる」という追走曲になっている。それゆえにKanon(カノン)という物語は人を感動させ、涙を流させるのでは。

細かい事を言えばキリがないけど、やはりギャルゲーの名作として語り継がれるだけの事はあるな、と。絵はかなりアレですが、物語の後半にはそんな事さえ忘れているはず。冬の街に起こる奇跡の物語、今は当時の半額で買えるので未プレイの人はぜひ。

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Kanon メモリアルエディション 全年齢対象版

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