Key「planetarian ~ちいさなほしのゆめ~」

planetarian~ちいさなほしのゆめ~ 通常版

プラネタリウムはいかがでしょう?」
「どんな時も決して消えることのない、美しい無窮のきらめき」
「満天の星々が、みなさまをお待ちしています」

近未来。細菌兵器による世界大戦でほとんどの人間が死滅した地球。 廃墟と化した街、とある建物の中で男は一体のロボットに出会う。 それは少女の形をしたプラネタリウム解説員。深々と頭を下げて彼女は言った。 「ようこそ、花菱デパート本店屋上プラネタリウム館へ」 「AIR」のSUMMER編や「CLANNAD」のことみシナリオでその実力を示す涼元悠一氏の企画・シナリオによる、選択肢のないビジュアルノベル。誰もいなくなった街で、今もお客が来ると信じて疑わないプラネタリウム解説員ロボット「ほしのゆめみ」。そんな少しこわれたロボットのために、「屑屋」の男は動かなくなった投影機の修理を始める。でも本当にこわれているのは、ロボットなのか、自分なのか、あるいは…。

2~3時間で終わる内容なのでこれ以上あらすじは書けませんが、さすが「Key」だなと思いました。CGも音楽も素晴らしいの一言。泣けると言うほどではありませんが、心にしみるいい物語です。ロボットであるがゆえの切なさを描くSF叙情詩、とでも言いますか。

プラネタリウムは星空を再現する機械ですが、同時に人々の星への想いや宇宙への憧憬などを映し、伝える機械でもあります。人類が抱いた星空への夢や憧れは、例え地球が滅んでしまったとしても永遠に残り続ける…というのもテーマの一つかも。パッケージ版の初回特典である小説には本編の物語を補完する後日談が収録されていますが、エピローグで「永遠への願い、あるいは無限への祈り」を描いている点はAIRに似ているかもしれない。無限の象徴はAIRの場合は空や海であり、planetarianは星空や宇宙。その辺、ライターが違っても「Key」なのかなと思いました。涼元さんはもういませんが。_| ̄|○

というかこの初回特典の小説は新書サイズで250ページ近くあり、質も量も十分なのになぜ出版されてないのか、書籍として流通させないのかと思ってしまいます。普通に1000円ぐらいの価値はあるはず。確かに本編やってないとあまり意味ないかもですが、初回特典だけという扱いは余りに不憫です…。

(バーコードやISBNがないのが本当に不思議)

そしてサントラも欲しい。曲数は少ないけど「プラネタリウム」という本編の内容に合った幻想的な音楽がとても美しく、サントラ出さないのがもったいなく思えてなりません。仕方がないのでnwaを変換してwavからAACにしましたけど、例によってエンドレスリピートで聞いてます。非常にイイ。 原画は「イリヤの空、UFOの夏」などで有名な駒都えーじ氏。決してぱんつはいてないでぐぐらないように。あとロゴなどに使われてるフォントは「みかちゃん」ですね。

涼元さんやまごめさんやその他CG担当の方々など、麻枝氏や折戸氏以外のKeyスタッフも偉大だと改めて感じさせられる作品でした。2~3時間で終わり値段も3000円とお手頃なので、軽い気持ちでサクッとプレイしてみてはいかがでしょうか。DL版は1000円ですが、やはり声付きは違います。可能であれば小説付きの初回版をぜひ入手して頂きたいのですが…もう難しいか。7月頃にPS2版の発売が決定しているので、それを待つのも良いかも。 しかし「ゆめみ」はKeyにはなかなかいないドジっ娘キャラで、そういう意味でも涼元さんはKeyに必要な人材ではないかと。「うぐぅ」「にはは」だけではそろそろ限界ではないか、と思わなくもない。 

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