兄妹4コマ、シュール系。 妹は小学生、そして兄は児童文学作家。ただし変態。
kashmir(カシミール)さんの初商業誌単行本『○本の住人(まるほんのじゅうにん)』。「きらら」らしからぬ暗めの装丁に惹かれて買ってみたのですが、なかなかツボでした。 お兄ちゃんは子供向けの本の作家だけど、教育上とてもお勧めできないような本ばかり書いている(勇者は一生幼女に不自由せず幸せにくらしました、など)。担任の先生はマイペース、というかのほほんとし過ぎで授業中10秒に1回は寝る。クラスメイトのハーフの子は異様にハイテンション…など登場人物全体が奇妙で、主人公である妹の小学生だけが唯一の良心という構図。
絵はカワイイけど、ネタはシュールで不条理。例えば「あずまんが大王」や「苺ましまろ」のような雰囲気です(ちなみに装丁も里見英樹さん)。 作家の兄がオタクと言う設定なので、オタクネタが分かる人、例えば「フィギュア」や「メイド」「ネコミミ」などの単語に反応してしまう人はより楽しめると思います(多すぎるほどではないので一般人の方にもお勧めです)。
カバー下・帯について
カバー下に表紙と違うイラストやおまけ漫画が描いてあったりすると嬉しいものですが、この本でもそういった細部にこだわりを見せています。
カバー下の漫画は時々見かけますが、特筆すべきは帯の裏。こんな所にまでネタを仕込むなんて芸が細かすぎます。表から見ると
シンプルだけど良いキャッチコピーだな…と思っていたら、裏面はこんな感じ。
よく見ると「ネコミミセット」とか「CD いもうとボイス集」などマニアックすぎる品物の数々、合計8万円のお買い上げ。しかも
マ)フクラミカケ ラミタンBカップ ¥2,100 ※ワリビキ(フクラミスギ)-¥500
とか、どんな店だとツッコミを入れずにはいられませんw
もちろん本編も面白いので、4コマ好きでシュールネタがOKなら楽しめると思います。あと、作家の兄が描いた奇妙な絵本も付いてます(フルカラー)。結構お勧め。
関連
ネコにテルミン(作者HP)