ずっとずっと、一緒だと思っていた。
2018年4月公開。
山田尚子監督作品(『けいおん!』『たまこラブストーリー』『聲の形』など)。
高校の吹奏楽部でオーボエを担当する「鎧塚みぞれ」とフルートを担当する「傘木希美」。
親友だと思っていた2人のすれ違いを描く青春模様。
今年もそれなりに映画を観てきましたが、自分の中ではこの「リズと青い鳥」が圧倒的に1位です。
これほどまでに繊細なガラス細工のような作品は観た事がありません。
"disjoint"(互いに素、素集合)という数学の用語がテーマになっていますが、「素数」の表現が劇中に何度も登場*1したり、2人の足音の間隔が互いに素だったりします(偶然にも足音が一致する瞬間があります)。
また終盤に夕暮れのシーンがありますが、観ている人には気づかない程度に4段階に色が分かれていて時間経過を表現したりしています。他にも「瞳」の表現にこだわりがありますが、「閉じ切らない瞬き」など実写に近い表現もされているようです。
キャラクターデザインから効果音に至るまで非常に繊細な部品が組み合わさって絶妙なバランスで成立している、本当に驚異的な作品だと思います。未見の方はレンタル等でぜひ観ていただきたいです。
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*1:試験管ケースに書かれた数字、のぞみが飼っているフグの数など