木尾 士目『げんしけん』

フシギなアキバ系の生態。

ヲタな人々の生活が一般人(=非ヲタ)といかにかけ離れているか、そのギャップが存分に楽しめます。話はフィクションだが内容はリアル。リアルすぎて笑える。 ある大学のげんしけん現代視覚文化研究会)」というオタク系サークル。活動内容はアニメ、ゲーム、コスプレ…(以下略)。外見も中身もヲタな人から、イケメンなのに誰よりもコアな人、そんな彼に惚れてしまった一般人…などなど、どの登場人物も個性が強すぎるのがイイ。いや、全員が実在していてもおかしくないかもしれないけど。そんなオタクな人々の日常を淡々と描いた作品です。 いわば「ヲタの生活と日常」とか「ヲタ観察日記」。だから読んで楽しめるのは、むしろオタクではない人々だと思う。または、ヲタを自認する人々が自嘲気味に読むとか。最も楽しめるのは「理解はできるが、そこまで深くは入り込めない」というヲタ/一般人の境界線上にいる人かもしれない。ルポルタージュだけど、事実をリアルに描けば描くほど笑えると言うか。笑いとしては新しいジャンルかも…などと思う。

まあ、このマンガがきっかけで完全にあっちの世界にいってしまう人もいるかもしれない。いずれにしても、オタク入門書としては最適な一冊です♪(そんな需要はない)。