MUSASHI-GUN道- 製作者インタビューも掲載「現代視覚文化研究」

前人未踏のアキバ系カルチャー読本!!

今年は「メカビ」「オトナアニメ」などオタク系の雑誌がいくつか創刊されました。なのでまた柳の下のどじょう狙いか? とも思ったのですが表紙の画像をよく見ると

MUSASHI-GUN道-」製作者インタビュー

という文字が(しかも大きめ)。涼宮ハルヒを取り上げるアニメ雑誌はあっても、2006年を代表する奇跡の作品・MUSASHIを大々的に取り上げるのはコレぐらいではないでしょうか。さすが「もえたん」の三才ブックス。というわけで、さっそく書店にスタコラサッサしてきました。

MUSASHI-GUN道-」プロデューサー&監督インタビュー

製作者、とはACCプロダクション代表でプロデューサーの菅谷信行氏と監督の木下ゆうき氏(以下敬称略)。

2007年の4月からパチンコ・パチスロの実機が動き出します。(菅谷)

という衝撃の発言で幕を開けたインタビューは、真面目な内容なのになぜか読んでて笑いを禁じえませんでした。思わず3回は読み直してしまったほど。 想像通りと言いますか、やはり圧倒的に時間が足りなかったようです。そして人手不足

  • スケジュールがなかったんです。だから、韓国、中国の会社を使いました。(菅谷)
  • とにかく国内に人がいないんですよ。(中略)仕方がなく中国産でね。まず打ち合わせができない。やってもわかってくれない。そもそも力が足りないから、こちらが何を言ってるかすら分かってもらえない。(ゆうき)
  • 次の日が納品です。納品日に上がってくるわけです。(中略)普通は1週間とか2週間ぐらい前ですよ。(ゆうき)

直してる暇もないので不本意ながらもそのまま放送、そして

見たら2日ぐらい落ち込んでました。だから本放送なんか見られない。(ゆうき)

もちろん、人手不足なのはアニメの本数が多すぎる事も原因で

どこがMUSASHIみたいになっても不思議じゃない状態ですよ。(ゆうき)

とも仰ってます。現に「キャベツ事件」(「夜明け前より瑠璃色な」第3話)なども起きていますし。 総集編(第6話)以降は中国の制作会社だけではなく、監督の主宰する作画スタジオのスタッフも投入されたようですが

ところが、これも結果が一緒でね(苦笑)。

と素直にお認めになるゆうき監督は本当に素敵です。一方、菅谷プロデューサーは

6話で総集編を入れたから、それ以降は持ち直したけどね。

と仰っているのですが、

 
(注:食べものです。第14話より)

…いや何でもありません。喋り過ぎは命に関わりそうなのでやめておきます。 しかし、ゆうき監督の

次は絶対いいもの作りたいと思っています。

というお言葉と、菅谷プロデューサーの

僕にはね、またもう1回、クソアニメって言われようぜという気持ちがある(笑)。

という対照的な発言が印象的でした。そして最も笑ったのは

僕も「うおっ、まぶしっ」とか、ギャグとして使っていきたいです。(ゆうき)

もうゆうき監督が最高すぎますw ますますファンになってしまいました。今後ともご活躍ご健闘をお祈りしております。いろんな意味で。


(MUSASHI第2話より、眩しくないのに『うおっ、まぶしっ』)

その他…

というわけでムサシストであれば迷わず購入したい本ではありますが、他にも

などなど、オタクであれば興味深い話題が盛りだくさん。1400円とちょっと高めで、タイトル通り「げんしけん」的なやや軽いノリではありますが、2006年のアニメやオタク業界を振り返るという意味でも一読しておいて損はないと思います。個人的にはMUSASHI製作者インタビューだけで十分すぎるほど元は取れました。 ところで「オフィシャルビジュアルファンブック MUSASHI-GUN道-の公式」の発売はまだでしょう

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