この封印パッケージは職人さんの作ったネタに違いない。 そんな風に考えていた時期が私にもありました(と言うか、つい2~3日前までは)。 アニメ史を塗り替えた奇跡の作品「MUSASHI -GUN道-」のDVD-BOX第一弾が無事到着。聞いた話では2000セット限定で追加生産も難しいらしく、注文がキャンセルされるのではと冷や冷やしていました。と言うか、次はあるのかかなり不安ですが。 ブックレットも何も付いてないしあまりにチープな作りじゃね? と感じるのが普通だと思いますが、ムサシスト(※)としては1枚1枚手焼きのDVD-Rが届いてもおかしくない、と覚悟してたので驚くには値しません。DVD入れたら会社のロゴも何も無くいきなりメニュー画面とか、DVDなのにチャプタージャンプが一切無いところは「さすがMUSASHIクオリティ」と思いましたけど。 (※GUN道を極めんとする、大徳寺に集う修行僧たち)
通して見た感想
で、1話~8話まで通して見た感想は意外にも「このアニメ普通に面白い。続きが気になる」というものでした。既にMUSASHI脳が重度に進行している可能性もありますが…うお…まぶし…。 作画やコンテがダメすぎとか、やたら間延びした脚本(アヤカシ女王蜘蛛対決に3話近く費やすなど)も問題ですが、改めて思ったのは、このアニメの最大の欠点は「映像と音声(SE含む)が一致していない」ことではないか、ということ。OPからして曲と映像を一致させる気すら感じさせませんが、それさえなければ意外とまともに見れたのではと思います。こう考えるのもまたMUSASHI脳かもしれませんが。しかしつくづく感じるのは、MUSASHIはまともな声優さんの演技とBGMが作画の酷さを引き立てているということですw
設定は面白い
もし本気でリテイクするなら、とりあえず2クール分ある脚本を1クールに圧縮する所から始めてもらいたいですが、作り方によってはネタとしてでなく普通に楽しめる作品になった可能性は十分にあったはず。
- 主人公・宮本ムサシは二刀流ではなく二丁拳銃。強いて言うならオイラ流
- 謎の発明家「荼毘の字」(レオナルド・ダ・ヴィンチ)や異国の女人も登場する、江戸時代なのに多国籍な設定
- 史実とは異なり、関ヶ原の戦いで徳川家康ではなく石田三成が勝利し、大阪に豊臣幕府が開かれている
- 「表の歴史」では徳川幕府が開かれており、徳川家康は豊臣幕府を倒すためアヤカシに魂を売って化け物と化している(パラレルワールドっぽい設定?)
- ガン鬼の銃という二丁で一組の拳銃。一丁はタクアン和尚が持っていたが、もう一丁は月にある?(何かSFっぽい設定?)
…などなど、構想12年は伊達ではありません。これ見ても駄作の匂いを感じる人がいるとは思いますが、喋りすぎは命に関わるぞ。
アニオタにこそおすすめ
買った理由は主に2つです。
- これほどの貴重な映像が8話で8000円。安い!
- 他のアニメDVDと違って本当に入手困難になる可能性が高い
8000円でこんなにも楽しめるのですから費用対効果は抜群です。もちろん腹筋を痛める恐れがありますので視聴のし過ぎには注意しましょう。GUN道の極め過ぎは命に関わるぞ。 もちろん誰が見ても十分に楽しめる作品ですが、普通のアニメは見飽きてしまったアニオタにこそおすすめしたいです。何というか、逆に新鮮なので。上の画像(右下)にもあるようにレンタル可らしいのでお近くのTSUTAYAに万が一あれば借りてみて下さい。「良いDVDだな…少し借りるぞ」と。 で、このDVD-BOXはTVで放送されたものを一切修正無しで収録しています。現在リテイク版を制作中らしいですが、同じスタッフで作っているならリテイク後もMUSASHIクオリティになるのではないか、それだけが心配でありんす…。