レミーのおいしいレストラン

レミーのおいしいレストラン (字幕版)

2007年公開のpixarによるフル3DCGアニメ。原題は“Ratatouille”(ラタトゥイユ。トマト、ナス、ピーマン、ズッキーニなど夏野菜の煮込み料理ですね。南フランスの家庭料理です。“Rata-”は「ごった煮」という意味ですが、主人公の「Rat」とも掛かっています。

というわけで、DVDのジャケだと分かりにくいのですがこの作品の主人公はネズミです。仲間内でも特にグルメで料理の才能もあるねずみ「レミー」がなぜかパリの高級レストランで働く事になってしまう…という話です。 題名通りレストランが舞台で多くのシーンは厨房です。で、とにかく登場する料理がどれも美味しそうなのです。フル3DCGなので料理のように有機的なものの描写は苦手なはずなのに、それを微塵も感じさせません。他にも水は実写にしか見えないほどリアルだったり。

ネズミの動きも本物を観察しただけあって可愛くもリアルですが、特に人間に追いかけられて逃げ惑う場面での「ネズミ視点のカメラワーク」が絶妙です。CGを使いつつも実写のような臨場感を再現しているのはさすが。あとCG映画では珍しく暗いシーンが多いのですが、必要最低限の所にだけ光が当たるような演出がとても印象的。

他にもパリの夜景や町並みが美しい、など褒めるべき点は多数ありますが、何よりも見終わった時に自然に笑顔がこぼれてしまうのがスゴイ。いつの間にか心に灯がともったように温かい気持ちになっていて、これがpixar/ディズニーのクオリティなのか…と感嘆させられました。子供から大人まであらゆる人におすすめしたい作品です。 あと、フルCGだけあってBlu-ray版の画質がもの凄いです。数あるBDの中でもトップクラスの画質ではないかと思います。再生環境をお持ちの方にはBD版を激しくお勧めします。