冬目 景『文車館来訪記』

明治~大正にかけて、さまざまな「モノ」に込められた美しい想い出の数々。 冬目さんの、あの油絵のような絵が好きなら画集として永久保存版と言えるでしょう。1200円と少し高いものの、大判でほぼフルカラーなのが素晴らしい。逆に、短編8話なのでストーリー性はあまりないかも。話と言うよりは絵や雰囲気を愉しむ作品だと思います。 花瓶やコウモリ傘などモノが擬人化し、一番美しかった時の想い出を不思議な写真館で写してもらう…というそれだけの話ですが、切なくも懐かしい気分になります。モノに意識があるかどうかは分からないけど、大切に使う事がモノにとっても幸せなのかな…と感じます。 しかし、この人は着物とか日本女性を描かせると本当に上手い。 大正浪漫というか、古き良き時代の懐かしさに浸る事ができます。 冬目ファンなら間違いなく買いです!(もう買ってるでしょうけど…)