その作画や内容で常に視聴者の予想を遥かに上回る展開を見せてきた「MUSASHI-GUN道」。第6話にして総集編を放送、と思ったら第12話も何の予告もなく総集編。これは遂に打ち切りか? と誰もが心配した矢先に飛び込んできたのは「MUSASHI DVD-BOX~放送オリジナルバージョン発売」という、さらに想像を絶するニュースでした。ここまで予測不可能な展開を見せるアニメもほとんどない。以下、MUSASHIのDVD発売というニュースがどれほどスゴイことなのか軽くまとめてみたい。
リテイク前の映像を販売
そもそもリテイク(描き直し)版を作ってること自体が驚きですし、リテイク版を作ってるのにリテイク前の映像を販売するのもかなり異例。普通に考えたら放送できる水準でもなく、商業作品として販売できるレベルではないにもかかわらず、です。しかしそれでもハイビジョン放送して修正せずにDVDも売ってしまうのがMUSASHI流。その上、あるオンラインストアのDVDランキング1位になるほど売れてしまうのがMUSASHIの恐ろしい所。
まあ1位なのはAmazonなど大手では取り扱いがないためで、オリジナル版を販売するのはネットで話題なのを逆手に取ったのでしょうけど。
早すぎる販売時期・安すぎる価格
同じ4月に始まった2クールのアニメのDVD1巻と比べてみます。
スクールランブル二学期 Vol.1: DVD 07/25発売・2話収録・3990円。
ああっ女神さまっ それぞれの翼 1 07/28発売・3話収録・6300円。
ひぐらしのなく頃に 第1巻 初回限定版 08/04発売・3話収録・8190円。
発売は7月下旬~8月上旬、1話辺り2000円~3000円。 普通はこんなものでしょう(高いとは思いますが)。しかしMUSASHIは違います。 MUSASHI~放送オリジナルバージョン~DVD-BOX [初回限定生産] 07/07発売・8話収録・10500円。 発売が他と比べて約1か月早いのに加え、1話当たりの値段も約半分。発売当初から半額セールです。そもそもリテイク前の映像で商売すること自体おかしくね? と思うかもしれませんが、多くのムサシファンはリテイク前の映像こそ欲しい、むしろ商品化してくれたことだけでもありがたいと思ってるはず。しかも驚異の早さでDVD化。これ以上のファンサービスはない…かもしれない。しかし早めに資金回収したいだけじゃね? などの的確なツッコミの入れ過ぎは命に関わるぞ。
数々の名シーンを収録
MUSASHIほど見所の多いアニメもなかなかない。
例えばムサシとロウニンの華麗な走りも、
伝説の「賢者の舞」も(て言うか顕邪の舞?)
タクアン和尚が落ちながら戦うシーンも、
そしてもちろん「うおっ まぶしっ」も
他にも
- 「おんみょうだんをくらえっ!」
- 「しゃべり過ぎは命に関わるぞ」
- 「おすぎだかピーコだか」
など数えきれない名場面の数々。
これら全てを収録したムサシDVD-BOXはかなりお買い得だと思う。誰ですか「うおっ いらねっ!」とか言ってる人は(なぜか否定できませんが)。
まとめ
DVD発売と聞いてこう思いました。自分はまさに伝説を目の当たりにしていると。「MUSASHI-GUN道」は単なるクオリティの低いアニメではありません。クオリティが低いとかそういう次元すら超えている、ある意味奇跡と言ってもいい作品です。単に作画が酷いだけならここまで話題にならなかったはず。言い換えると、本気でリテイクするなら構成、脚本からやり直さないとマズいということですが。
MUSASHIはリテイク前DVD発売でまさに伝説と呼ぶに相応しい作品になったと思います。10年後ぐらいには伝説というか都市伝説になってる気もしますが(いくら2006年でもこのクオリティはあり得ない、みたいな)。
あと、MUSASHIを20年前のアニメだと思ってる人がいるかもしれませんが、20年前のアニメの方がよく動いています。