「存在のない子供たち」(Capharnaüm)

存在のない子供たち(字幕版)

2018年公開。レバノン映画。
中東のスラム街で暮らす12歳の少年が見た過酷すぎる現実を描く。

この映画はフィクションですが、監督がリサーチして目撃したり経験した出来事を盛り込んであり、事実に基づく創作と言えます。イギリスの貧困層の現実を描いた「わたしは、ダニエル・ブレイク」という映画がありますが、それよりも遥かに救いの無い、深刻すぎる物語です。

また、出演者は役者と言うより現実にその立場に近い人々を採用しており、演技が上手いのではなくありのままの現実を描いている、実質ドキュメンタリーであると言っても過言ではないかもしれません。

少年の正確な生年月日が不明だったり、自分を産んだ罪で両親を訴えたり、妹は11歳で結婚させられたり…と直視に耐えない出来事の連続で本当に辛いです。多くの日本人にとっては全く想像もできない事だらけだと思います。

知りたくなかった世界の現実ではありますが、観るべき作品ではあると思います。