木村 紺『神戸在住』

ほのぼのまったり女子大生日記、from神戸。 とてもシンプルな絵で、マンガと言うよりは絵日記に近い。美大に通う素朴でまじめな学生の平凡な日常を淡々と描く。主人公(桂さん)=作者?と思ってしまうほどフツーの学生生活だ(ホントにそうでも全然おかしくない)。 桂さんは、例えば週に一度、友達とお勧めの小説を交換し合うのを楽しみにしているような健全な学生だ。BGMも「Take Me Home Country Roads」だったり。ものすごく好感が持てます。その視線はいつも温かく、ちょっとした事でも涙を流したりする。フツーの学生生活をフツーに楽しむ平凡な日常だけど、何だか見てて微笑ましいです。て言うかちょっと羨ましい。つまらない学生時代を過ごしてしまった人間にとっては。 神戸という街自体の魅力も伝わってくるけど、やはりメインはそこに住む人々の温かさだと思う。何より主人公(桂さん)自身の視点が温かい。平凡だけど、どの瞬間をとっても特別な時間、貴重な経験と言うか。読み進めるほどに桂さん同様、優しい気持ちになれる気がします。 ほのぼの、まったり系が好きな方はぜひ。