熊倉隆敏『もっけ』

気楽に読める妖怪コミック。

「妖怪」と聞いて一歩後ずさりしてしまうような人でも楽しめます。 一般的に妖怪の出てくるマンガは「怖い」「不気味」などの印象がある。絵もやはり劇画調でグロテスクだ。しかし『もっけ』は、表紙を見れば分かるように絵はカワイイ。そして話もさほど深刻ではない。妖怪とバトルとかしないし、親父が目玉だったりもしない。設定も現代のどこでにもあるような町だ。ただ、主人公の姉妹には見えないはずのモノが見えてしまう。それが勿怪(もっけ)。 この姉妹が勿怪(もっけ)に憑かれたり付きまとわれたりして、解決するまでが一話。一話完結なので分かりやすい。憑かれる、と言っても重い病気とか深刻な話は一切なし。せいぜいちょっと困ったな、ぐらい。妖怪マンガを読んでるって感じはあまりしないです。…でも妖怪に関しては詳しく描いてある。妖怪は架空の存在だけど、それは人々の心の隙間から生み出された民間伝承なのかもしれない、なんて思ったり。 京極○彦や水木し○るファンでなくても面白い。誰でも読める妖怪ものです。