東村アキコ『きせかえユカちゃん』

こんなにも笑える少女マンガがあったとは。

1~2巻も面白いけど、3~4巻辺りは悶絶死するかと思うほど笑い転げました。特に著者と同年代(20代後半~)の人は随所でツボを刺激されるはず。少年(青年)マンガでもここまで笑わせる作品はほとんどない、と断言したい。とにかく読んで下さい、笑いが欲しい人は。 ユカちゃんはとてもお洒落な大学生…かと思ったら実は小学生。見た目大人で中身は子ども。恋愛に興味はないけど、お姉ちゃんや担任の先生など他人の恋愛には首を突っ込みまくる。

「か、かいしょ? 何それ」
「じゃあ、そのかいしょーがあれば貞子ともう一回付き合ったり結婚したりできるの?」

…と、今日も人の幸せのために周り中を巻き込む。彼女の暴走は誰にも止められない…と言うか、必ず誰か火に油を注ぐ奴もいるが。登場人物はユカちゃんを筆頭に個性の強いキャラばかりで、しかも全員が無駄なく動いているのがスゴイ。 そして本編も面白いが、同じくらい面白いのが巻末のおまけマンガ健一レジェンド(伝説)」。なぜこんなに笑えるマンガが描けるのか、それは父・健一の存在なくしては語れないだろう…と確信させるエピソードの数々。どれもこれも実話とは思えない。 大人の恋愛もあるけど、ネタにされているだけなのでラブコメとは言い難い。純粋なコメディです。時々おしゃれ心もくすぐるけど、9割は笑いです。少女誌(クッキー)に連載されているのが勿体ない…とさえ思います。性別年齢問わず、笑いを求める全ての人に捧げたい。