かがみふみを『ちまちま』

こんな小さな事で うれしくなる。

とっても奥手で何かと要領の悪い小さな女の子と、背は大きいけど不器用な男の子のラブストーリー。 女の子の方は「あずまんが大王」のちよちゃんを彷彿とさせる素朴な絵でとても恋愛ものとは思えないし、実際この2人はそもそも「つき合う」とか「好き」が良く分からない。手を繋ぐことを想像するだけでドキドキしてしまうし、実際に繋いでしまったら舞い上がってしまって何も考えられなくなるほど。「キス」なんて刺激の強すぎることは想像する事すら不可能。まるで小学生の初恋のように、初々しく純情で甘酸っぱい物語です。

見てる方が思わず転がり回りたくなるほど恥ずかしくなります。 読んでて何度キュン死に(©中原アヤ)すると思ったことか。 不器用な2人の恋愛ものはいくつかありますが、まさか「ハツカレ」より上があるとは思わなかった。この純情さは少女マンガ以上です。こんなにも初々しくて人を悶えさせる話はありません。 でも悶絶するほど恥ずかしくなるのと同時に、温かく優しい気持ちになります。まるでずっと昔に忘れていた感情を思い出すかのような。純粋に人を想うことってなんて素敵なんだろう、と感じずにはいられません。

1巻で完結してしまうのが非常に惜しい作品です。別の作品でもこの路線は続けてほしいなと。「初々しさ」や「ほのぼの」が好きな人には激しくオススメしたい。例えば山名沢湖さんとか「すずめすずなり」などが好きなら間違いなく気に入るはず。 コミックハイ!の「男子でも読める少女漫画」って路線は自分のツボかもしれないと思う今日この頃。看板作品のお下品ギャグ漫画(大島永遠「女子高生」)も大好きですが。