ラブストーリ-(2003)

ラブストーリー(字幕版)

ベタ過ぎて泣ける。

『世界の中心で~』もそうだけど「こんな、あまりにありきたりでベタベタな話は誰もやらないだろう」って話を、やってしまうと意外と新鮮に感じられる。いや、あまりにストレートすぎて誰もやってなかったのかも。

運命に翻弄された母と、あまり翻弄されてない娘の恋物語。母(回想)と娘(現在)の話が同時進行しながらオーバーラップする、というベタ過ぎる展開。母と娘同じ事してるぞ、みたいな。展開もベタなら恋愛描写もベタ。中学生が交換日記してるようなレベルだ。「今時そんなヤツいねーよっ!!」ってツッコミを待っているかのような。

原題は『The Classic』。「古典的純愛物語」ってところか。監督さんは「少し昔に戻ったような古典的なメロドラマを作りたかった」らしい。邦題「ラブストーリ-」もあまりにそのまま過ぎるけど、ベタな内容をそのまま表してるという意味では適切だと思う。

韓国では大ヒットしたらしい。多くの人に受け入れられた理由としては、恋愛がファッション化してしまった時代だからこそあえて原点に戻ることが求められてたのかも。物語としても複雑な話が増えた今、単純な話が求められていたのかもしれない。

で、話の筋とはあんまり関係ないけど「はぁー、親の世代は大変だったんだな。親が苦労してきたからこそ自分たちは比較的楽な生活をしてるんだな」などと思った。母に比べて娘は楽しすぎだ。メインは母の物語なんだけど、母がこんなにも「結ばれるか結ばれないか」で苦労してるのに引き替え娘は何だ。しかも「時を超えて結ばれる奇跡」ってもう(ネタバレ削除)。

恋愛もベタなら時折差し込まれるギャグもベタベタだ。殴られたら鼻血が出たというレベル。「く、くだらねーよ!」と思いつつ笑ってしまう。そして「そんなベタな話で泣けるとでも?」と思いつつ鳥肌が立ってしまう。感受性の強い人なら涙が止まらないかもしれない。

しかしこの映画もっともツッコミたい所は娘の設定だ。「テコンドーやって十数年」ってことになってるけど、テコンドーなんて何の関係もなかったじゃないか。無意味なら出すなそんな映像。「テコンドー…? 一体何の伏線なんだ…」とか延々考えながら見ていた人はどうなる。まさかそれがヤツの鼻血を出すためだけの設定だとは見終わるまで分からなかった。

まあ母にしても娘にしても言っておきたいのは「そんな簡単に相手が現れるなら苦労しないんぢゃーうえええええええ・゚・(ノД`)・゚・」ってことで、そこがこの映画最大の泣き所かもしれない、ある意味。('A`)